GW、雪深い木曽駒ヶ岳でテント泊(2013.4.28〜29)

グルヤマ

2020年05月01日 00:00

ちょっと昔の山行記録です。

2013年のゴールデンウィーク、1泊2日で向かった先は木曽駒ヶ岳。木曽駒と聞くと、ロープウェイでチャ〜っと上がれて山頂までチャ〜っと歩ける日帰り登山のイメージもありますが、まだまだ雪深いこの時季にわざわざテン泊を試みようと、重い荷物を背負って向かいました。


早朝、菅ノ台バスセンターからバス、ロープウェイを乗り継いで「ホテル千畳敷」に到着。




目の前に広がる雪の千畳敷カール。美しい眺めです。




ホテルの前、めいめい準備を整える登山者。




登山前、ホテル内で登山届を提出するのですが、雪山なので装備についてもしっかりと記入。

そして、その登山届をを遭対協の方が確認して、装備不足であれば入山はNGとなります。

自分の場合、アイゼンの爪が10本だったこともあり若干悩むような顔をしておりましたが、雪山経験等(これも記入)の判断基準によりOKが出るという、チョット危ういところでありました。

(GWの雪質だったからかもしれません)


9時20分、支度を調え終わりいよいよカールへ。まずは直登で乗越浄土まで。




それにしても人、多いです。




順調に高度を稼ぐ・・・といっても荷物は重いわ、次第に上がる斜度に若干ビビるわ、気を抜くと転げ落ちそうだわで、ピッケルでしっかりと体制を確保しながら、途中から九十九折りに似たルートを取ったりと、しんどい思いで上へ上へと詰めて・・・




1時間弱で乗越浄土へ。いや〜精神的にもキツかった・・・




乗越浄土からは、疲れもぶっ飛ぶ見晴らしの良さ。

丸見えの南アルプス&富士山。




すぐ横には宝剣岳。




が、ただただボーッと眺めていられるワケでもなく、取りあえず本日の宿泊地、すぐ近くにある「宝剣山荘」脇でテント張りの作業に取りかかります。


奥の屋根が宝剣山荘


GW中は営業中の宝剣山荘には宿泊者もチラホラ。それでも周囲はまだ雪深く、入口は雪洞仕様となっておりました。




非常に有り難いのは、ここで幕営料を払えばトイレも借りれるという事。

(駒ヶ岳頂上山荘はこの時期営業していません)


スノーショベルで整地し、一汗かいて幕営完了。




本日、ここでのテントは3張。黄色いのがワタクシのもの。普段のテント(エアライズ)に冬季用の外張りを付けています。


お隣に張ってあった緑色のフライシートのみのテント、他の人の話ではソロの女性のようで、ここでテントを張った後、一旦ロープウェイで下山し、別の山を登りに行っいて、翌日くらいに戻ってくるとか言うような話しを聞きました。




なんか、すごすぎて理解不能ですが・・・


設営を終えて一息入れた後、サブザックを背負い木曽駒山頂へ。

途中の中岳頂上より振り返って、宝剣岳と、奥には空木や南駒。




北東方面には御嶽山も。




目の前は木曽駒山頂。ここの登り返し、それほどでは無いように見えても・・・




アイゼンを蹴り込んで上がっていくため、取り付くと意外とキツかったり。




じわっと汗を感じながら歩いているうちに、山頂へ到着。




奥に南アルプス、手前左が伊那前岳で明日登る予定。




北側、乗鞍から北アルプス。




天気に恵まれて、ホントによかったです・・・


寒さも忘れて周りの登山者と撮影会なるものをしまくり、一通り眺めを堪能。

その後はテントに戻り、今度はひたすら水作りの作業をかまし、この日は早めに就寝。




・・・が夜中、自分のシュラフでは対応しきれない気温と、マット1枚だけでは対応できない地熱で寒すぎて眠れず、プラティパスで湯たんぽを作ったりして、何とか寝付けたのは明け方頃。



5時40分起床。起きたときはすでに日も高く、楽しみにしていた御来光を逃す失態・・・




気を取り直してゆっくりと朝食を取り、8時過ぎに伊那前岳へ。






歩き始めて25分、取りあえず最高点辺りに付いたものの山頂標識は無い模様。




鉄棒らしきものが刺さっていたので、一応これを山頂標識として考えます・・・


ここからは千畳敷カールが一望。




伊那前岳は特に達成感も無く・・・さっさとテントへ戻り、荷をまとめて10時半頃下山開始。

急斜面を慎重に下ります。(下り始めが一番ビビります)




乗越へ向かうオッチャンたち。こうしてみると結構な急斜面。




ピッケルに頼りながら、何とか斜度の緩い場所まで下り、後はシリセードで下降。




といっても雪質は柔らかく、あまり滑りませんでしたが・・・



で・・・

いきなりの駐車場着、下山完了でございました。


この頃はブログ用に写真を撮っていなかったので・・・


下山後は木曽駒登山お約束の「こまくさの湯」にて、温泉とソースかつ丼をいただいて帰路に。




けっこう前の山行記録なので詳細は忘れましたが、大体こんな感じだったと思います。


個人的には非常に天気に恵まれた、いい山行となりましたが・・・

この年のGW、白馬大雪渓で雪崩が起き遭難(木曽駒に向かう前に捜対協の方が教えてくれました)、そして数日後に宝剣岳で滑落と、どちらもお亡くなりになるという事故が起きてしまいました。


気温の上昇する春の雪山は雪崩や雪質の変化もあるので、慎重な行動が必要ですね。


<行程>
[1日目]
ホテル千畳敷(9:20)→乗越浄土・宝剣山荘(10:15〜12:20)→
木曽駒ヶ岳山頂(13:06〜13:42)→宝剣山荘(14:12)
[2日目]
宝剣山荘(8:05)→伊那前岳(8:40)→宝剣山荘(9:05〜10:26)→
ホテル千畳敷(11:00頃)

関連記事