大峰山・八経ヶ岳へ〜大峯奥駈道を歩く(2018.09.23)

グルヤマ

2018年09月27日 12:23




奈良県の大峰山といえば、世界遺産にも登録されている古道・大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)を修験者が数日かけて歩くという、宗教に深く結びついた山。

中でも今だ女人禁制でもある山上ヶ岳の、断崖絶壁の岩壁にうつぶせで頭から吊られた修行体験の映像などは、よくテレビでも見かけたりします。

幾つもピークのある大峰山ですが、今回は大峰山初心者と言う事で、その中でも一番標高が高く、近畿最高峰でもある八経ヶ岳(1,915m)とその近くの弥山(みせん・1,895m)を登ります。

久し振りの百名山、そして大峯奥駈道をチョロッとですが歩く事ができるのも楽しみの一つ。



前日は「道の駅 吉野路上北山」で車中泊、翌日30分程車を走らせ、登山口のある「行者還(ぎょうじゃがえり)トンネル」西口に到着。




駐車料金1,000円を払い、駐車場目の前にある登山口から6時40分頃スタート。




歩きやすい沢沿いの道から橋を渡ると、すぐにしっかりとした斜面。根っこの多い登山道を坦々と高度を上げて・・・








およそ50分強で「奥駈道出合」に到着。




ここから山頂まで、いよいよ世界遺産の古道を歩きます。




木々の合間から見える山・・・方角から、八経ヶ岳でしょうか。




奥駈道出合から次のポイントとなる「聖宝ノ宿趾」までは急激なアップダウンもなく、体力的には楽なものの・・・




広々とした稜線は怪しい踏み跡や倒木が多く、ガスッた日などは方向を見失ったりしそうで、それなりに緊張感のある場所もあり。


ルートから少し外れたところに熊らしき動物の糞を発見。身が引き締まります・・・




「聖宝ノ宿趾」に到着、祀られている像は様々な伝説を持っている理源大師(聖宝・しょうぼう)。




優しそうな顔をしているものの、なぜか「触れてはならぬ」との言い伝えが。



ここからさきは「聖宝八丁」と呼ばれる急登。気を引き締め黙々と歩くこと、およそ1時間弱・・・








登山口より2時間50分で「弥山小屋」到着。とても立派な山小屋です。




周辺をウロウロするものの取りあえず休憩は後にして、先に八経ヶ岳山頂を目指すことに。




道すがら、八経ヶ岳の全容。




途中に鹿柵のゲート。「オオヤマレンゲ自生地」間は柵内を歩きます。




弥山小屋から一旦下って登り返す事およそ30分、錫杖が見えると、そこが八経ヶ岳山頂でした。






山頂付近は立ち枯れた木々がアチコチに。昭和34年に上陸した伊勢湾台風による塩害で枯れたと、以前聞いた事があります。




すぐ近くには明星ヶ岳。ここからCTで20分程、歩いている人もチラホラ見えますが・・・今日は止めときます。




展望は良いものの近隣の山々がよくわからず、また薄曇りのせいなのか爽快感もイマイチな感じになってしまい、ちょっと残念・・・

早朝もしくは冬だと、富士山も見られるそう。


近くの木に何故かわらじが・・・行者さんの落とし物?


弥山小屋に戻って食事を摂るつもりが、あちこちのベンチはほぼ満員、仕方がないので取りあえず小屋近くにある山頂「弥山」に向かうと・・・

4分程であっけなく到着。




でもって晴れました。


神社の前は芝生のような広場でベンチあり、ここで昼食を。小屋の周辺よりも気持ちいい感じ。


ここからも八経ヶ岳がよく見えます。




三角点はどこにあるかわからないものの、この弥山は修験道にとって重要な場所で、加えて昭和天皇がまだ皇太子だった大正15年、ここを登頂されたという、結構な山だったりします。




30分程のんびりした後、小屋にて久し振りにバッジを購入。

時刻は11時を回ったところ。まだまだ登ってくる登山者が多い時間ですが、下山開始です。






テン泊組、小屋泊組が結構多いようで・・・ウラヤマシイです。


マムシグサ発見。こうやって上から色づくんですね・・・




登りで迷いそうだった箇所も記憶をしっかり辿って問題なく一気に下山。下りきった沢の、人目の目立たないところで水浴び的なことをして、スッキリした身体で駐車場へ到着。








道路越しに見る他の駐車場の方も一杯。大人気の山だったりするのでした。


全長約80kmもある大峯奥駈道、ほんの一部歩いただけでしたがなかなかいい道でした。

今度は改めて別の山頂を絡めて歩いてみようと思います。(ただ、名古屋からの距離が・・・)


また、山慣れしていないと道迷いしそうなところもあるので、初心者の方は気をつけた方がいいと思います。

GPSロガーは必要かと。



<行程>
 行者還トンネル西口登山口(6:43)→(7:37)奥駈道出合
 (7:42)→(8:30)聖宝ノ宿趾(8:35)→(9:28)弥山小屋
(9:32)→(10:00)八経ヶ岳(10:11)→弥山小屋(10:29)
 →(10:33)弥山(11:03)→(11:06)弥山小屋(11:13)→
 聖宝ノ宿趾(11:44)→奥駈道出合(12:25)→登山口(13:15)


 登山口から弥山小屋まで登り :2時間45分(休憩込み)
 弥山小屋から八経ヶ岳山頂まで:0時間28分(休憩ナシ)
 八経ヶ岳山頂から弥山小屋まで:0時間18分(休憩ナシ)
 弥山小屋から登山口まで下り :2時間02分(休憩込み)



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